本格的な日差

fridayne

2016年02月18日 16:49



今年の夏、百貨店での商戦では、男性用の日傘が人気のようだ。
若い人が持つというよりは、熟年以上が持つアイテム。
老齢を迎えた人には暑い日差しは、さすがに堪(こた)えるという。

日傘があればと思いつつ、誰もさしていない状態では、
気が退(ひ)けるところがあったそうで、
このような流行に対して歓迎ムードがある。

そのほか、
夏のアイテムとしては、浴衣(ゆかた) も定着してきた感があり、
それに付随してか、番傘などの和傘も人気を得てきている。
和傘には番傘のほか、蛇の目傘(じゃのめがさ)、端折傘(つまおれがさ)
などがあるが、高級な和傘もかなり売れているそうだ。
和装には、やはり、そのような傘がしっくりとあう。

ごく一般的なタイプの和傘の呼び名を番傘と呼ぶが、
それには、いわれがある。

「それは江戸時代のこと、三越百貨店本店の前身である「越後屋呉服店」が、
にわか雨が降り出すと、
店内から出てきて、通行人に無料で傘を貸し出していたという。

その傘には、「越後屋」の文字と、
数字の「一」「二」「三」など、通し番号が書かれていた。
この「番傘貸し」がかなり評判を呼んでいたようだ。
当時の川柳に
『江戸中を 越後屋にして 虹がふき』
の如くに、大宣伝となったという。
この傘、唐傘とか、和傘とか呼ぶべきところ、
番号がふってあるところから、
「番傘」と呼ばれるようになり、
それから、一般的にこのタイプの傘が、
番傘と呼ばれるようになったそうだ。

この「越後屋」の精神を受け継いでいるのが、ショップの
ショッピングバッグかもしれない。
一回だけ持ち帰るだけにしては、意外に立派に作られていて、
デザインなんかも凝っていたりする。
そうすると、日常的に、使い勝手の良い、
そのショッピングバッグを持って出たりする。
ショップにとっては、
街を歩いて良い宣伝をしてくれることになる。

時代劇ではないが、
「越後屋、そのほう、なかなか知恵が回るワイ」
と言いたくなる。