ぼんやり輝く

2014年03月04日


小雪の舞う冬の午後に、おばあちゃんは死んだ。
お葬式のあと、おじいちゃんもおばあちゃんもいなくなった家の炬燵に入って、母さんとおばさんと従姉妹とわたしで、おばあちゃんのはなしをしていたら、白い、透きとおるほど真っ白い子供の手の平ぐらいの蝶々が現れた。
蝶々のまわりは、すこしだけぼんやり光っているように見えた。
おばあちゃんがいなくなって悲しくて、泣きすぎて、わたしの目が変になっていたからかもしれないけど、光って見えた。
「ばあちゃんだ」
母さんが言った。
おばさんも従姉妹もわたしも「うん」と言った。
蝶々は部屋中を飛び回ってから、おばあちゃんのこどもたちとおじいちゃんの位牌のある仏壇の前で消えた。
死んだらわたしも白い蝶々になれるだろうか。
透きとおるほどに白く、ぼんやり輝く、夢みたいに綺麗な蝶々に。
冬に死んだら、きっとなれるような気がする。
そうしたら、あのひとのところへ飛んでいこう。


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Posted by fridayne at 15:13│Comments(0)記事
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